Ranorex Spy の使用方法

Ranorex Spy とは、マシン上で実行しているすべてのアプリケーションをキャプチャし、取得した内部情報をツリービューで表示するツールです。
Ranorex Spy を利用することで、テスト対象アプリの内部情報を確認できます。

Ranorex Spy からテスト対象アプリの内部構造を確認することで、テストの作成やメンテナンスをより効率的におこなうことができます。
本Blog記事では、Ranorex Spy の代表的な利用方法についてご紹介します。

Ranorex Spy の起動方法

Ranorex Spy の起動方法として、以下の方法があります。

①Ranorex Studio 上からの起動

Ranorex Studio を起動し、メニューバーから Spyの起動 をクリックします。

② Ranorex Spy単独での起動

スタートメニューから、Ranorex Spy を選択します。

※Ranorex Spy には、32bit 版と 64bit 版があります。
 通常、テスト対象アプリと同じアーキテクチャのバージョンを使用することをおすすめします。


Ranorex Spy に関しては、ユーザーガイド をご確認ください。

Ranorex Spy の使用方法

今回は、3つの代表的な使用方法をご紹介します。

使用方法① オブジェクト情報の確認

Ranorex Spy では、テスト対象アプリの内部情報(要素や属性情報)を確認できます。
テスト対象アプリにおいて、Ranorex がどのような情報を取得しているかを確認したい場合には、Ranorex Spy を使用します。

操作手順

1. テスト対象アプリを起動し、確認したいオブジェクトを画面上に表示します。
2. Ranorex Spy を起動します。
3. 左上の TRACK ボタンをクリックし、確認したいオブジェクトを赤枠で囲み、その上でクリックを行います。
上記手順により、BROWSER & RESULTS の一覧で、対象のオブジェクトが青くハイライトされています。
右側の 概要/詳細 タブに、対象のオブジェクトが持つ属性の一覧が表示されます。

取得されている属性は、RanoreXPath(※) の中で使用することができます。
また、取得されている属性に対しては、検証(Validation)を実施することも可能です。
※Ranorex では、RanoreXPath というパス情報を基にオブジェクトの認識をおこなっております。
 RanoreXPath に関しては、RanoreXPathの基本構造 をご参照ください。

使用方法② オブジェクトの追加

Ranorex でのオブジェクトの追加方法として、基本的にはテスト対象アプリに対してレコーディング操作を行うことで、操作したオブジェクト情報が自動的にリポジトリ内へ登録されていきます。
一方で、レコーディング操作以外の方法として、Ranorex Spy にてオブジェクト情報をリポジトリ内に追加することも可能です。
対象のオブジェクトがどのような要素/属性情報を保持しているか確認した上で、オブジェクトを追加したい場合には、Ranorex Spy の利用をおすすめします。

操作手順

1. テスト対象アプリを起動し、取得したいオブジェクトを画面上に表示します。
2. Ranorex Studio上でソリューションを開き、レコーディングモジュール(rxrec)もしくはリポジトリファイル(rxrep)を開きます。
3. Ranorex Spy を起動します。
4. 左上の TRACK ボタンをクリックし、取得したいオブジェクトを赤枠で囲み、その上でクリックを行います。
5. 青くハイライトされたオブジェクトを右クリックし、 リポジトリに追加 をクリックします。

上記手順により、リポジトリ内に対象のオブジェクトが追加されます。
追加したオブジェクトは、上側のアクションテーブルへドラッグアンドドロップすることで、追加したオブジェクトを対象としたアクションを追加することができます。

使用方法③ オブジェクトの編集

既存オブジェクトの RanoreXPath を編集したい場合、Ranorex Spy を利用します。
サンプルのデスクトップアプリとなる RxDemoApp.exeSubmit ボタンを例とし、操作手順についてご紹介します。

本サンプルアプリは、以下のURLからダウンロードできます。
https://www.ranorex.com/ja/help/latest/ranorex-studio-fundamentals/ranorex-recorder/before-you-start-recording/

操作手順

1. テスト対象アプリを起動し、編集したいオブジェクトを画面上に表示します。

2. Ranorex Studio 上でソリューションを開き、レコーディングモジュール(rxrec)もしくはリポジトリファイル(rxrep)を開きます。
3. リポジトリから、編集したいオブジェクトを選択し、EDIT IN SPY をクリックします。

対象オブジェクトに対する Ranorex Spy が起動されます。
表示されている PATH EDITOR 画面より、使用している RanoreXPath を確認/編集できます。
※ここで起動されている Ranorex Spy は、対象オブジェクト単独のSpyとなります。

4. 左側のツリー構造から編集したい要素(例:button[@text=’Submit’])を選択します。
5. 右側には対象の要素が持つ属性の一覧が表示され、使用する属性を変更できます。
たとえば、以下の例では、button要素においてtext属性のチェックを外し、代わりにcontrolname属性を選択しています。
これにより、RanoreXPath 内のbutton要素が button[@text=’Submit’] から button[@controlname=’btnSubmitUserName’] に変更されます。

上記手順により、RanoreXPath の編集がおこなえます。

また、対象オブジェクトの内部構造を確認したい場合には、EDIT IN SPY ボタンをクリックして開いた Ranorex Spy 上で、BROWSER & RESULTS タブを開くと、対象オブジェクトが持つ要素や属性情報を確認できます。

まとめ

今回は、Ranorex Spy の利用方法についてご紹介しました。
Ranorex でテストの作成やメンテナンスをおこなう上で、大変便利なツールとなりますので、ぜひご利用ください。