Recorder control centerの活用

Ranorexでは、テストスクリプトを作成する作業として、テスト対象アプリケーションの操作を記録しつつ、バリデーションや待ち時間を設定するための「レコーディング」の作業を行います。

レコーディング時は、デスクトップの隅に、Recorder control center という小さな画面が表示されます。この画面に、レコーディングを支援するための様々な機能が実装されていることをご存知でしょうか。

本記事では、Recorder control center が持つ、各機能について説明します。


(Recorder control center)

Recorder control center では、以下の機能を提供しています。

  • レコーディングの停止と終了
  • バリデーションの設定
  • スクリーンショット/待ち時間/コメントの追加
  • レコーディングした操作の参照/削除
  • ホットキーの設定
  • イメージベースによるレコーディング

レコーディングの停止と終了

  • Pause/Continue ボタン:レコーディングを一時停止/再開します。一時停止中は、操作の記録は行われません。
  • Stop ボタン:レコーディングを終了し、Ranorex Studioの画面に戻ります。

バリデーションの設定

Validate ボタンをクリックすることで、テスト対象アプリケーションの操作を記録する状態から、バリデーションを設定する状態に変わります。この状態で、テスト対象アプリケーションの画面内のオブジェクトにマウスカーソルを合わせると、オブジェクトが紫色(ディレスプレイによっては、ピンク色)の枠で囲まれます。

(テスト対象アプリケーション画面)

バリデーションを行いたいオブジェクトをクリックすると、バリデーションの画面(Ranoex Spy)が表示され、クリックしたオブジェクト情報が検出されます。

(バリデーション設定)

期待するオブジェクトが取得されている場合、「次へ」ボタンをクリックし、次の画面に進みます。次の画面では、バリデーションとして検証したい情報(属性、テキスト、イメージ)を指定します。

属性 タブを開くことで、対象オブジェクトの属性、およびテキスト情報が表示され、検証したいチェックボックスを有効にします。(期待値の設定は、レコーディング後に、設定します)

(属性、テキストのバリデーション設定)

イメージ タブを開くことで、対象オブジェクトのイメージを検証することができます。現在、アプリケーションの画面に表示されている対象オブジェクトのイメージを真として、バリデーションを設定し、イメージ比較を行います。

※イメージ比較には、ContainsとCompareの2つのモードがあります。各モードについては、Ranorex ユーザーガイド(アクションのリスト – バリデーション (Validation))を参照ください。

(イメージのバリデーション設定)

スクリーンショット/待ち時間/コメントの追加

レコーディング時にこれらの設定を行いたいタイミングで、 Add ボタンをクリックすると、画面内に緑色の項目が追加され、レコーディングが一時停止します。

(Recorder control center)

緑色の項目にある、プルダウンメニューから、追加したい処理を選択します。

(Recorder control center)

コメントを追加したい場合は、 Message を選択します。入力フォーム(My Message)にコメントを入力します。コメントは、テスト結果レポートに出力されます。

(コメントの挿入)

スクリーンショットを追加したい場合は、 Screenshotを選択します。またスクリーンショットにはコメントを入れることができます。スクリーンショットは、テスト結果レポートに出力されます。コメントを入れた場合は、スクリーンショットと合わせてコメントも出力されます。

(スクリーンショットの挿入 ※コメント有り)

待ち時間を追加したい場合は、Delay を選択します。 入力フォーム(Duration -e.q. 3s)に時間を入力します。単位は、ミリ秒となります。(たとえば、5秒待ち時間を指定したい場合は、”5000″と入力します)

(待ち時間の挿入)

上記の作業を実施した後、プラスボタン(+)をクリックすることで、その処理がテストスクリプト(レコーディングモジュール)に追加されます。

レコーディングした操作の参照/削除

記録されたテスト対象のアプリケーションの操作や、バリデーション、スクリーンショット/待ち時間/コメントは、Recorder control center 画面に番号が振られ追加されていきます。

(Recorder control center)

操作や、バリデーションの項目の右側にある目のアイコンにマウスカーソルを重ねることで、スクリーンショットを参照することができ、イメージベースで処理を確認することができます。

(Recorder control center)

またゴミ箱のアイコンをクリックすることで、対象項目を削除することができ、不要な操作などを削除することができます。

(Recorder control center)

ホットキーの設定

通常、レコーディング時に記録できない操作がホットキーとして割り当てられており、それらの操作を記録する際に、「ホットキーの有効化」を有効することで、操作を記録できるようになります。

※この設定の有効時は、ホットキーに割り当てられたキー操作は記録されません。

(Recorder control center)

ホットキーとして割り当てられている操作は以下になります。

  • “V”キー:バリデーションの状態に切り替えます。
  • “T”キー:ツールチップに対するバリデーションを設定できます。
  • “M”キー:マウスカーソルの移動を記録できます。
  • “I”キー:イメージベースによる操作の記録を有効にします。
  • マウスホイール:マウスホイールの操作によって、認識しているオブジェクト(赤枠)を移動できます。(ホットキーの設定が無効の場合は、マウスホイールの操作が記録されます)

※ホットキーの詳細については、Ranorex ユーザーガイド(Recorder control center とホットキー)を参照ください。

イメージベースによるレコーディング

通常、テスト対象アプリケーションのオブジェクトは、RanoreXPathを使用し判断しています。「イメージベースレコーディング」を有効にすることで、 RanoreXPathとオブジェクトのイメージ(画像)情報を使用して、オブジェクトを判断することができるようになります。

(Recorder control center)

※イメージベースレコーディングの詳細については、Ranorex ユーザーガイド(イメージベース オートメーション)を参照ください。

今回、紹介した機能を使用し、レコーディング時にテスト対象アプリケーションの操作を記録しながら、バリデーションや、スクリーンショットなどの設定を行うことにより、レコーディング後に、新たにオブジェクトを追加し、 テストスクリプト(レコーディンモジュール)から設定箇所を確認するといったような作業の手間を省くことが可能です。作業の効率化を図る上でも、是非、活用されることをお奨めいたします。