API と GUI の違いは何か?
ソフトウェア開発では多くの略語が使われ、最初は混乱しやすいものです。API (Application Programming Interface) と GUI (Graphic User Interface) は、似たような機能を持っているため、しばしば誤用されます。しかし、両者は全く異なる方法で動作し、全く別の目的で使用されます。
API テストとは ?
API テストを理解するためには、API について理解することが重要です。API は、ユーザーの利便性を高めるために、2 つのソフトウェア プログラム間の連絡役として機能します。たとえば、あなたが Web サイトから商品を購入するとき、その Web サイトはおそらく独自の決済処理ではなく決済処理 API を使用して、あなたの購入代金の支払いを支援します。
そして、API テストは、API が期待どおりに機能していることを検証しようとするものです。API テストの目的は、ソフトウェアの機能性、信頼性、パフォーマンス、セキュリティのすべてが、あるべき姿で正常に動作していることを確認することです。これらのテストは、一般的に API の応答性に焦点を当て、アプリケーション上の見た目やユーザービリティーなどは考慮しない傾向にあります。
API テストの種類
- 検証テスト:暗号化されたデータの転送が適切に行われ、照合の問題や不正な状況を確実に防止します。
- UI テスト:ユーザーインターフェースを操作し、バックエンド側で連携されているソフトウェアが正常にやり取りできていることをテストします。
- セキュリティテスト:API の各エンドポイントがベストプラクティスに準拠し、安全であることを保証するテストです。
- 負荷テスト:ボトルネックが発生する前に対処するために、高いトラフィックをシミュレートすることによって、API が予期しない負荷を確実に処理でできることをテストします。
- エラー検出:エラー発生時に API がエラーを識別できることを確認し、適切に対処して解決できるようにします。
- 侵入テスト:システムへの侵害をシミュレートして、潜在的な脆弱性を特定し、ソフトウェアが公開される前にパッチを適用します。
- ファズテスト:システムに無効な値や予期せぬ値を入力し、セキュリティとパフォーマンスの問題に対処するために問題を監視するテストです。
API テスト自動化ツールのメリット
- メンテナンス:起こりうる問題に事前に対応することで、メンテナンスに費やす時間を短縮します。
- スケーラビリティ:複雑な環境や繰り返しテストに対応したテストモジュールを無制限に作成できます。
- 自動化:テストの品質に影響を与えることなく、ヒューマンエラーの可能性を排除して、テストに費やす時間を短縮します。
- カバレッジ:複雑さを大幅に軽減しつつ、手動テストよりも短期間にはるかに広い範囲のテストをカバーすることができます。
- スピード:人間が監視する必要がないため、他のタスクに集中しながらテストを実行でき、より迅速にテストを完了することができます。
GUI テストとは ?
グラフィック ユーザーインターフェース (GUI) は、ユーザーがソフトウェアを使用する際に目にするものです。GUI には通常、ユーザーが操作できるオブジェクトがあり、これらのオブジェクトに対してアクションを起こすことで、開発者が作成したバックエンドデータが処理されます。
GUI テストは、ソフトウェア アプリケーションを使用する際のエンドユーザーのエクスペリエンスに焦点を当てます。このタイプのテストは、ユーザーが取る可能性のあるアクションに対処しようとします。API との違いは、2 つのプログラム間のやり取りではなく、ソフトウェアとユーザーとのやり取りである点です。
GUIテストの種類
- コンポーネントテスト:アプリケーションの個々のコンポーネントを互いに独立してテストします。
- 機能テスト:GUI の機能が設定された要件を満たしていることを保証しようとします。
- 非機能テスト:パフォーマンス、ユーザビリティ、柔軟性など、ソフトウェアの非機能的な側面を扱うために実施するテストです。
- 構造テスト:コードの構造をテストすることに重点を置いています。このタイプのテストは、コードの知識が必要なため、通常、ソフトウェア開発者によって行われます。
- 回帰テスト:ソフトウェアに加えられた変更に対応し、変更後も GUI が正常に動作することを確認します。このタイプのテストは、既存のコードに追加された新しいコードも扱うことができます。
- エンドツーエンド テスト:ソフトウェア アプリケーションの機能を最初から最後まで網羅し、すべての要素が機能することを確認します。
GUI テスト自動化ツールのメリット
- 複数のテストレベル:1 つの要素をテストするか、アプリケーション全体をテストするかに関わらず、テストモジュールを作成してそのテストを実行し、正確な結果を得ることができます。
- 簡便性:Ranorex Studio のような自動GUIテストツールを使用すると、追加のコーディングなしでテストモジュールを作成できます。
- 視点:エンド ユーザーの役割も担うので、正確なテストシナリオを得ることができます。
- 信頼性:手動テストでは、ヒューマンエラーが発生したり、問題などがユーザーに届く前に見逃されて対処されないまま放置される可能性があります。自動テストは、そのようなリスクを一挙に取り除くことができます。
- 継続的インテグレーション:GUI に対して変更を加える場合、テストを継続的に実行することで、脆弱性を発見することができます。
API テストと GUI テストの比較
スピード
API テストは一般的に高速です。これは、GUI はより多くの要素を持つ傾向があるからです。一方、GUI テストでは、焦点を当てなければならないオブジェクトと要素の数によってテストが遅くなります。
目的
API テストは、互いにやり取りしている 2 つのプログラムが適切に動作しているかどうかを確認することに重点を置きます。つまり、API テストの多くはプログラムのコードを扱う機能テストになります。一方、GUI テストでは、GUI を表示したときのユーザー・エクスペリエンスに焦点を当てます。つまり、プログラムの機能性よりも、見た目や使い勝手を重視したテストになります。
テスト範囲
API は GUI ほど広範囲ではないので、API のテストは特定の要素に限定されます。GUI のテストでは、一般的に機能的な要素だけでなく視覚的な要素も扱うため、より広い範囲のテストを行うことになります。
GUI や API テストの自動化を試みる
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また、弊社 (テクマトリックス株式会社) で取り扱っている SOAtest/Virtualize を利用することで、API テストも自動化できます。詳しくは、こちらを参照ください。
(この記事は、開発元 Ranorex 社 Blog 「API vs GUI: What’s the Difference?」2022年10月20日の翻訳記事です。)