スタンドアロン環境におけるテストの実行
Ranorexのテストをスタンドアロン環境で実行したい、といったご要望をいただくことがあります。
本記事では、スタンドアロン環境でRanorexのテストを実行する方法についてご紹介します。
今回ご紹介するテストの実行方法に適している方
今回ご紹介する実行方法は、以下の項目に該当する方に適した方法となります。
・テスト実行環境は、ネットワーク接続が行えない環境(スタンドアロン環境)である
・テスト実行環境では、テストの作成は行わず、実行のみを行いたい
・テスト実行環境には、必要最低限のファイルのみでテストを実行したい
テストの実行時に利用するライセンスの種類によって、スタンドアロン環境で実行するための対応方法が異なります。
そのため、利用するライセンスごとの対応方法についてご紹介します。
・Ranorex ノードロックライセンスを利用する場合
Ranorex Runtime フローティングライセンスを利用する場合
フローティングライセンスの場合、クライアントマシンから、ライセンスの管理サーバー(Ranorex License Manager)にネットワーク接続してライセンスを取得することで、Ranorex を使用できます。
テスト実行環境がスタンドアロン環境である場合には、テスト実行環境のマシン上にRanorex License Managerを立てて、テスト実行環境専用のフローティングライセンスとして使用する方法となります。
※この場合、登録している Runtime フローティングライセンスは、他マシンでは利用できません。
■構成例
■操作手順
①Ranorex License Managerのインストール
- テスト実行環境に、Ranorex License Managerをインストールします。
- Ranorex Runtime フローティングライセンス を登録します。
フローティングライセンス のインストール方法は、以下のユーザーガイドをご参照ください。
https://www.ranorex.com/ja/help/latest/ranorex-studio-system-details/licensing/install-a-floating-license/
②テストシナリオの準備
テスト作成環境のRanorex Studioを使用し、テストシナリオを作成します。
テストシナリオを作成後、テスト作成環境で以下の手順を実施します。
- Ranorex Studioを起動し、対象のソリューションを開きます。
- メニューバーから 設定(=)をクリックし、 全般 タブを開きます。
- ランタイム > ライブラリを出力フォルダーにコピーする を有効とします。
- Ranorex Studioのメニューバーより、 ビルド – ソリューションのビルド を選択します。
上記手順により、ソリューション\プロジェクト\bin\Debugフォルダー配下に、テストの実行に必要なファイル一式が生成されます。
③テストの実行
②テストシナリオの準備 で生成された、bin\Debugフォルダー一式をテスト実行環境にコピーします。
テスト実行環境にて、テスト実行モジュール(exe)を実行することで、Ranorex License Manager に登録したRuntime ライセンスを利用し、テストを実行できます。
Ranorex Studio ノードロックライセンスを利用する場合
ノードロックライセンスの場合、Ranorex Studioがインストールされているマシンにノードロックライセンスを登録することで、テストの作成や実行が可能となります。
そのため、ノードロックライセンスを利用する場合には、スタンドアロン環境での利用が可能です。
しかしながら、場合によっては、テスト実行環境にはRanorex Studioをはじめとし、できる限りソフトウェアをインストールしたくないといったご要望をいただくケースございます。
この場合、テスト実行環境にはRanorex Studioをインストールせず、テスト実行に必要な最低限のファイルのみを配置し、テストを実行します。
また、テスト実行時に使用するライセンスは、テスト実行環境のノードロックライセンスを利用します。
■構成例
■操作手順
①ノードロック ライセンスファイルの準備
テスト実行環境のマシン名に紐づいた、ノードロックライセンスファイル(lic)を生成します。
ノードロック ライセンスファイルの生成方法は、以下となります。
- インターネット接続可能なマシンにて、http://auth.ranorex.com/license/ にアクセスします。
- License Key フィールドに、受領したライセンス キーを入力します。
- Machine Name フィールドに、テスト実行環境のマシン名を入力します。
- Authenticate をクリックします。
- Download Authenticated License File をクリックし、ファイルをダウンロードします。
上記手順により、テスト実行環境マシンのノードロックライセンスファイル(lic)が生成されます。
②テストシナリオの準備
テスト作成環境のRanorex Studioを使用し、テストシナリオを作成します。
テストシナリオを作成後、テスト作成環境で以下の手順を実施します。
- Ranorex Studioを起動し、対象のソリューションを開きます。
- メニューバーから 設定(=)ボタンをクリックし、 全般 タブを開きます。
- ランタイム > ライブラリを出力フォルダーにコピーする を有効とします。
- Ranorex Studioのメニューバーより、 ビルド – ソリューションのビルド を選択します。
- ①ノードロック ライセンスファイルの準備 で用意した、ライセンスファイル(lic)を bin\Debug フォルダー配下に配置します。
上記手順により、ソリューション\プロジェクト\bin\Debugフォルダー配下に、テストの実行に必要なファイル一式が生成されます。
③テストの実行
②テストシナリオの準備 で用意した、bin\Debug フォルダー一式をテスト実行環境にコピーします。
テスト実行環境にて、テスト実行モジュール(exe)を実行することで、ノードロックライセンスを利用し、テストが実行されます。
■補足 – USBデバイスの利用
テスト実行環境のフォルダー配下に、各ファイルを直接配置したくない場合には、必要なファイル一式(bin\Debugフォルダ)をUSBデバイス上にコピーし、USBデバイス上に配置したテスト実行モジュール(exe)を実行することでも、テストの実行が可能です。
これにより、より本番環境に近いかたちでテストを実行できます。
テストを実行すると、Reportsフォルダー配下に結果が出力されます。
レポート結果は、HTML形式で出力することで、Ranorex がインストールされていないマシンであっても確認できます。
Ranorex レポートをHTML形式で出力する方法は、 FAQ – Ranorexがインストールされていないマシン環境でも、テスト結果レポートを閲覧できるファイル形式で出力できますか? をご参照ください。
まとめ
今回は、Ranorex のテストをスタンドアロン環境で実行する方法についてご紹介しました。
テスト実行環境が、ネットワーク接続不可の場合や、必要最低限のファイルのみしか配置できないといった環境の場合には、ぜひご紹介した対応方法を活用ください。