MSBuild を使用したコマンドラインでのソリューションのビルド方法

Ranorex は、Ranorex Studio で作成したソリューションを MSBuild でビルドし、生成されたテスト実行ファイル(.exe)を実行することで、テストをおこないます。Ranorex Studio では、テスト実行のタイミングで内部的にビルドされますが、コマンドラインでもビルドができます。

今回は、コマンドラインでの Ranorex ソリューションのビルドをおこなう活用場面と方法についてご紹介します。

コマンドラインでのソリューションのビルドによる活用場面

Jenkins などの CI ツールを使用して、ソリューションのチェックアウトからテストレポートの生成までの一連の流れを自動化する。

CIツールを使用することで、バージョン管理システムへのソースコードのコミットをトリガーに、テスト対象アプリと Ranorex のソリューションのチェックアウトからテストレポートの生成までを自動化できます。CI環境にて、チェックアウトされたソリューションをビルドする際に、MSBuildを使用します。

Jenkins の場合は、MSBuild のプラグインがあるため、より簡単に設定がおこなえます。Jenkins による CI の詳細手順につきましては、こちらをご確認ください。

補足:Ranorex のコマンドライン実行

CIツールにて、Ranorex のテスト実行自体を自動化する場合は、テスト実行ファイル(.exe)を実行するコマンドラインを用意する必要があります。

具体的なテスト実行のコマンドについては、こちらをご確認ください。

MSBuild を使用したコマンドラインでのビルド方法

Ranorex のソリューションをビルドする環境に、MSBuild がインストールされているかを確認します。環境にない場合は、Visual Studio や .NET SDK などをインストールすることで、MSBuild をインストールできます。なお、環境変数に、MSBuild のパスを通しておくことで、フルパスを使用せずにプログラム名のみで実行できます。

Visual Studio 2022 (ブログ投稿時点) をご利用の場合、MSBuild のパスは以下になります。
C:\Windows\Microsoft.NET\Framework\v4.0.30319\MSBuild.exe

Ranorex ソリューションのビルドコマンド(MSBuild のパスを通した場合)

> MSBuild.exe <ソリューション名.sln のファイルパス>

Ranorex のソリューションファイルは、以下のパスになります。
C:\Users\ユーザー名\Documents\Ranorex\RanorexStudio Projects\ソリューション名\ソリューション名.sln

ソリューションをビルドすると、テスト実行に必要なファイルが以下のパスに生成されます。
※<プロジェクト名.exe> を実行することでテスト実行ができます。
C:\Users\ユーザー名\Documents\Ranorex\RanorexStudio Projects\ビルド\ビルド\bin\Debug

注意点1:
MSBuild のバージョンは、 Ranorex で使用している .NET Framework のバージョンと合わせてください。
Ranorex で使用している .NET Framework のバージョンは、「ヘルプ」> 「Ranorex Studio について」にて、「.NET Runtime Version」でご確認いただけます。

まとめ

Ranorex Studio がインストールされていない環境で、ソリューションのビルドを行う場合や、CIツールなどを使用して、Ranorex ソリューションのビルド自体を自動化する場合には、MSBuild を使用して、コマンドラインでビルドすることでご対応いただけます。このような環境でテスト自動化をされる方は、MSBuild を使用してソリューションをビルドください。