Ranorexのパフォーマンスを改善するコツ
Ranorexでテストシナリオ(テストスクリプト)を作成していくと、一つのソリューションに含まれるレコーディングモジュールの数やリポジアイテムの数が膨大になる場合があります。ソリューションに含まれるファイル数が増えてソリューションのサイズが大きくなると、Ranorexのパフォーマンスにも影響を与える可能性があります。
そこで、本記事では、Ranorexのパフォーマンスを改善するコツとして、ソリューションのファイル数が増えて複雑化した場合の対応方法をご紹介します。
プロジェクト/ソリューションを分割する
Ranorexは、1つのソリューションに複数のプロジェクトを作成することができます。そのため、プロジェクトを複数に分割することで、Ranorexのパフォーマンスが改善する場合があります。また、分割したプロジェクトは新規ソリューションに個別に追加できるため、プロジェクト単位でソリューションを分割することで1つのソリューションのサイズを小さくすることができます。
プロジェクトは以下の方法で分割できます。
1. Ranorex Studioの左側に表示されるプロジェクトビューにて、ソリューション名(一番上の階層)を右クリックし、[追加]>[空のプロジェクト]をクリックします。
2. 新規プロジェクト名を入力し、作成ボタンをクリックします。
3. 新規プロジェクトが追加されます。
4. 既存のプロジェクトからレコーディングモジュールやリポジトリを新規プロジェクトに移動させます。画面単位やシナリオ単位で分割すると、管理がおこないやすくなります。
※先にリポジトリ(*.rxrep)から移動すると、レコーディングモジュールに割り当てられているリポジトリの設定が引き継がれます。リポジトリを複数に分割する方法は、本記事の「リポジトリを分割する」をご参照ください。
また、分割したプロジェクトは、以下の方法で新規ソリューションに追加することができます。
1. Ranorex Studioにて新規ソリューションを作成します。
2. Ranorex Studioの左側に表示されるプロジェクトビューにて、ソリューション名(一番上の階層)を右クリックし、[エクスプローラーでフォルダーを開く]をクリックすると、ソリューションのフォルダーが開きます。
3. 新たにエクスプローラーを開き、新規ソリューションに移動したいプロジェクトフォルダーをコピーし、手順2で開いたソリューションフォルダー配下に貼り付けます。
4. 手順2で開いているRanorex Studioにて、プロジェクトビューのソリューション名を右クリックし、[追加]>[既存のプロジェクト]から、手順3でコピーしたプロジェクト(*.csproj)を選択します。
5. プロジェクトビューで追加したプロジェクトを右クリックし、[スタートアッププロジェクトに設定]をクリックすると、選択したプロジェクトが通常使用されるプロジェクトとして指定されます。
この方法で、プロジェクト単位でソリューションを分割することができます。
ソリューションのサイズが大きくなった場合の対応方法としては、ソリューションやプロジェクトを分割していただく方法が効果的ですが、そのほかの方法として、以下の2つの方法もお試しください。
リポジトリを分割する
通常、一つのプロジェクトには、一つのリポジトリが作成されますが、それを複数のリポジトリに分割することで、Ranorexのパフォーマンスが改善する場合があります。リポジトリの分割方法は以下の通りです。
1. Ranorex Studio のツールバーから、[リポジトリの追加]をクリックします。
2. 新規リポジトリ名を入力し、作成ボタンをクリックします。
3. プロジェクト配下に新規リポジトリが作成されます。
4. 既存のリポジトリから、移動したいリポジトリアイテムを選択し、[切り取り]/[コピー] をクリックします。
※コピーを選択した場合、コピー元のリポジトリアイテムが不要になったら忘れずに削除してください。
5. 移動先のリポジトリで右クリックし、[貼り付け]をクリックします。
6. リポジトリアイテムが追加されます。
7. Ranorexでは、レコーディングモジュールごとに割り当てるリポジトリを選択することができます。新規追加したリポジトリを使用したい場合は、レコーディングモジュールのドロップダウンリストから対象のリポジトリを選択します。
※リポジトリを分割する場合には、画面単位など、ある程度のオブジェクト単位で分割すると管理がおこないやすくなります。
レポートや画像ファイルをプロジェクトから削除する
対象のプロジェクト内に過去のレポートや画像ファイルが含まれている場合は、これらのファイルを削除することで、プロジェクト全体のファイルサイズを小さくし、Ranorexのパフォーマンスも改善する場合があります。
※デフォルトだと、プロジェクトの bin\Debug\Reportsフォルダー(または、bin\Release\Reportsフォルダー)にファイルが保存されています。
他にも、以下の方法でレポートの出力先をプロジェクト配下から変えることもできます。
1. テストスイート名を右クリックし、[プロパティ]をクリックします。
2. 表示された画面でレポートタブをクリックし、レポートフォルダーに出力先を指定します。
※レポートフォルダー右側のボタンをクリックすると、フォルダーの参照ダイアログが表示されます。
3. テストを実行した時には、指定したフォルダーにレポートが保存されます。
まとめ
本記事では、Ranorexのパフォーマンスを改善するコツをご紹介しました。
Ranorexのパフォーマンスに影響がでた場合や、作成したソリューションが複雑化した場合には、今回ご紹介した方法をお試しください。