E2Eテスト:予期せぬポップアップ画面の操作自動化
E2Eテスト自動化ツールでテストを実行すると、テスト対象アプリケーションでエラーや警告などのポップアップ画面が予期せぬタイミングで表示されるケースがあります。この場合、テストシナリオにポップアップ画面に対する操作が含まれていないため、結果としてテストが失敗してしまいます。このようなポップアップ画面の操作は、Ranorexのポップアップウォッチャーを使用することで対応できます。
ポップアップウォッチャーとは
ポップアップウォッチャーは、オートメーションヘルパー機能(※1)が持つ複数メソッドの1つとして提供されます。テストの実行時に、バックグラウンドでポップアップ画面を検索し、表示されたタイミングで、指定したオブジェクト(例:画面内の OK ボタンなど)に対してクリックアクションを実行することができます。
※1.オートメーションヘルパーは、通常はコーディングスキルが必要になるような機能をコーディングを必要とせずに利用できる、コードモジュールとユーザーコードメソッドのコレクションです。
ポップアップウォッチャーの使い方
1.対象のソリューションにオートメーションヘルパーを追加します。
Ranorex Studioで対象のソリューションを開き、プロジェクトビュー内の ソリューション名 を右クリックし、オートメーションヘルパー > オートメーションヘルパーの追加 をクリックします。
※オートメーションヘルパーの追加/更新は、インターネット接続が必要となります。オフライン環境でオートメーションヘルパーを使用する方法については、こちらをご参照ください。
2.表示された画面にて、オートメーションヘルパーの追加 ボタンをクリックします。
3.ポップアップの検索を開始させるタイミングで、テストスイートに「StartPopupWatcher」を追加します。
例えば、テスト対象アプリの起動後のタイミングで、ポップアップウォッチャーの検索を開始します。
以下のテスト構成例では、ポップアップウォッチャー開始 レコーディングモジュールに「StartPopupWatcher」を追加します。
対象のレコーディングモジュールを開き、追加する箇所で右クリック、新しいアクションの追加 > ユーザーコード > ライブラリから選択 をクリックします。
表示されたライブラリ一覧から、StartPopupWatcher を選択 > 選択項目を追加 でUser codeアクションとして追加します。
4.追加されたUser codeアクションにて、検索対象のポップアップとクリック対象のオブジェクトを設定します。
リポジトリから、findElement にポップアップ画面自体のオブジェクト、clickElement にクリック対象のオブジェクト(例:ポップアップ画面内のOKボタン)をリポジトリからドラッグ&ドロップをして設定します。
※ポップアップ画面のオブジェクトの取得については、以下のポップアップ画面のオブジェクトをリポジトリに追加する方法でご確認ください。
5.ポップアップの検索を終了させるタイミングで、テストスイートに「StopAllPopupWatcher」を追加します。
例えば、一連のテストが終了するタイミングで、ポップアップウォッチャーの検索を終了します。
以下のテスト構成例では、ポップアップウォッチャー終了 レコーディングモジュールに「StopAllPopupWatcher」を追加します。
対象のレコーディングモジュールを開き、追加する箇所で右クリック、新しいアクションの追加 > ユーザーコード > ライブラリから選択 をクリックします。表示されたライブラリ一覧から、StopAllPopupWatcher を選択 > 選択項目を追加 でアクションとして追加します。
※StopAllpopupWatcherは、すべてのポップアップウォッチャーを終了するもので、StopPopupWatherは、引数で指定したオブジェクトに対して動作している特定のポップアップウォッチャーを終了するものです。
ポップアップ画面のオブジェクトをリポジトリに追加する方法
ポップアップウォッチャーに設定するポップアップ画面のオブジェクト (ポップアップウォッチャーの追加 手順3) は、事前にリポジトリに登録する必要があります。 テスト対象アプリによって、表示されるポップアップ画面の取得方法が異なります。
デスクトップアプリ/IEブラウザで表示されるポップアップ画面
要素をトラッキングして、リポジトリに追加します。
1.テスト対象アプリにて、ポップアップ画面が表示されている状態にします。
2.Ranorex Studioにて、対象のレコーディングモジュールを開き、リポジトリの上部にあるトラッキング をクリックします。
3.ポップアップ画面を認識させ、クリックします。
4.リポジトリにオブジェクトが追加されます。
Chrome/Chromium Edge/Firefoxブラウザで表示されるポップアップ画面
Ranorex Spyを使用して、ポップアップ画面の要素を検索してリポジトリに追加します。
1.テスト対象アプリにて、ポップアップ画面が表示されている状態にします。
2.Ranorex Spy を起動します。
3.BROWSER&RESULTS にて、オブジェクトの階層を展開し、ポップアップ画面の要素を検索します。
※ポップアップ画面は、各ブラウザのForm要素の配下にあります。
4.ポップアップ画面の要素を選択し、右クリック、リポジトリに追加を選択します。
5.リポジトリにオブジェクトが追加されます。
まとめ
予期せぬタイミングで表示されるエラーや警告などのポップアップ画面は、ポップアップウォッチャー機能を使用することで対応いただけます。テスト実行時に警告やエラーなどのポップアップ画面が不特定のタイミングで表示されて失敗するような場合には、ポップアップウォッチャー機能をぜひご利用ください。