Bug Bash(バグ バッシュ)
開発には、単体テスト、自動テスト、手動テスト、スモークテスト、回帰テスト、受け入れテストなど、バグを検出するためのテスト工程や方法があります。 これらのテストをおこなうことにより、検出されたバグを修正し、製品への欠陥の流出を防ぐことができます。
これらのテストアプローチとは別に、Bug Bash(バグ バッシュ)と呼ばれるバグを見つける方法があります。
バグ バッシュとは?
バグ バッシュは、社内の従業員によるテストのイベントです。 さまざまな部門の人たちが協力して、所定時間内でアプリケーションのバグを見つけ出し、最後にそれを表彰します。
バグ バッシュは、通常、以下のように構成された60分間のセッションとしておこないます。
- イベントの説明(5分)
- フォーカスグループによるテスト(40分)
- 結果発表(15分)
所要時間は 、主催されるイベントよって異なる場合がありますが、一般的な形式は同じです。
通常、主催者は、アプリケーションでテストするためのヒントとなる、さまざまな情報を用意します。これは、チームが行き詰まってアイデアが不足したときに役立ちます。また、参加チームが互いにコミュニケーションをおこない、バグをまとめられるように、Slack、Zoom、Skypeなどのコミュニケーションツールも用意します。
参加チームにはイベントについて事前通知がおこなわれ、デバイスのセット、特定の環境設定、システムのアクセス権限、およびその他のリソースなどの前提条件が用意されます。また、参加を促し、楽しい雰囲気を作るために、参加者に食べ物と飲み物が配られます。
バグ バッシュを主催する人たちは、イベントに参加しません。代わりに、参加チームのサポートをおこないます。バグ バッシュは通常、製品のメジャー リリースの直前に開催されるため、参加チームの洞察はテストの最終工程に情報を提供するのに役立ちます。これは、テスト工程の一部を置き換えるものではなく、それを補完するものです。
バグバッシュを実施することの利点
さまざまな種類のバグを見つける
開発チームは、特定のアプリケーションに長時間接していることで、同じ機能を繰り返し操作することになり、「慣れ」が発生し始めます。これにより、アプリケーションの微妙な変更や違いは見過ごされる可能性があります。
バグ バッシュを使用すると、UXエンジニア、ビジネスアナリスト、プロダクトマネージャー、スクラムマスター、カスタマサポートなど、アプリケーションを直接、操作しない人たちも参加できます。 参加者は、さまざまな視点からアプリケーションを見て、製品がリリースされる前に、通常の開発およびテスト工程で見逃されていたバグを見つけることができます。
チーム コラボレーションを促進する
さまざまな参加チームや担当業務の人たちが協力してバグを見つけるため、バグ バッシュは、普段の業務ではやり取りしない従業員の間でのオープンなコミュニケーションを促進します。
参加者は、機能を探求しながらアプリケーションを学ぶことができ、また、製品の認知度を全社的に向上させることができます。また、コンテストのように構成されているため、チームメンバーは、普段とは違う新しい業務に挑戦しながら、楽しく共同作業をおこなうことができます。
友好的な競争を奨励する
参加チームがイベントに真剣に取り組むことを促すために、バグ バッシュでは賞品が用意されます。
イベントの予算に基づいて、最高のバグ、最も多くのバグおよび最も興味深いバグに対して賞品が贈られます。これにより、参加者はバグを見つけることへのモチベーションが上がります。
まとめ
バグ バッシュは、会社全体の力を利用してアプリケーションのバグを見つける革新的な方法です。 このようなイベントを開催するには時間と労力がかかりますが、メリットはコストを上回ります。さまざまな役割の人たちが協力して製品をテストすることで、開発チームだけでは見つけることができなかった、さまざまな情報を得ることができるのは驚くべきことです。
作者について:
Raj Subrameyerは、国際的な基調講演者、ライター、およびキャリアコーチであり、技術的なバックグラウンドを豊富に持っています。 彼のBlog(rajsubra.com/blog/)では、読者の生活に役立ち、インスピレーションを与えるニュース、リソースを投稿しています。
(この記事は、開発元 Ranorex 社 Blog 「The Power of Bug Bashes」2020年9月15日の翻訳記事です。)