Ranorex v9.3の新機能(イメージバリデーション)
06月29日にリリースされたRanorex v9.3では、イメージバリデーション(CompareImage/ContainsImageアクション)の機能改善および、オプションの追加がされました。
こちらは、国内ユーザー様からのご要望を元に、実現された機能です。
イメージバリデーションの設定で改善・追加された機能は以下になります。
- マスク機能の追加
- “Report expected and actual images”オプションの追加
- 差分画像の表示の改善
- ソリューション/モジュール設定にバリデーションオプションの追加
マスク機能の追加
イメージベースのバリデーションで、期待画像内で指定範囲をマスクし、バリデーションの対象から除外指定することができるようになりました。また、Shiftキーを押下しながら範囲選択することで、複数指定も可能です。マスク解除は、Ctrlキーを押下しながら解除範囲をクリックすることでおこなえます。
マスクの方法
1.Validateアクション(ContainsImage/CompareImage)のScreenshot nameの参照(・・・)をクリックし、イメージバリデーションの編集画面を開きます。
2.イメージバリデーションの編集画面にて、イメージ除外領域の選択をクリックし、画面中央に表示された期待画像に対し、マスクする範囲を矩形選択します。(マウスの右クリックをドラッグすることで選択できます)マスク選択された箇所は、ピンク色の枠で囲まれます。正しく設定できたら、OKをクリックします。
※期待画像の選択範囲(緑色の枠)内に、マスク範囲を指定ください。
“Report expected and actual images”オプションの追加
従来は、失敗時にのみレポートに期待画像と実際の画像が表示されるかたちでしたが、CompareImage/ContainsImageアクションのプロパティに、本オプションが追加されたことにより、バリデーションの結果(成功/失敗/常時)に応じた表示指定ができるようになりました。
“Report expected and actual images”オプションの設定方法
1.Validateアクションを右クリックし、プロパティを選択します。(もしくは、Validateアクションの選択後に”F4″キーを押下します。)
2.開かれたプロパティにて、Report expected and actual imagesの設定を変更します。
差分画像の表示の改善
期待画像内で、さらに比較対象を範囲指定(矩形選択)した場合でも、レポートに差分画像が表示できるように改善されました。
※イメージ領域の選択方法につきましては、イメージバリデーション(使用)#2の記事を参照ください。
※差分画像の表示は、オプション設定で可能となります。設定につきましては、イメージバリデーション機能の記事を参照ください。
例えば、以下のアプリケーション内のカレンダーを画像比較します。
イメージバリデーションの編集画面にて、期待画像として取得したカレンダー内で、更に比較対象を範囲選択します。
期待画像とテスト実行時に表示される実際の画像は以下のようになります。
このような画像を比較した場合、レポートに以下のような差分画像が表示されます。
※以前のバージョンまでは、範囲選択した場合には、差分画像のオプションを設定していても、表示されませんでした。
ソリューション/モジュール設定にバリデーションオプションの追加
従来は、バリデーションオプションの設定は、各バリデーションのアクションごとに設定する必要がありましたが、ソリューション/モジュール単位でおこなえるようになりました。
以下の設定から、ソリューション/モジュール単位での設定ができます。
ソリューション/モジュール単位で設定が可能なオプションは以下になります。
- 差分画像のレポート
- スクリーンショットのレポート
- 類似度(Similarity)のレポート
- 実画像と期待画像のレポート
※設定後に追加したValidateアクションに設定が適用されます。既存のアクションには、適用されませんので、手動で変更ください。
まとめ
今回のイメージバリデーションの新機能は、国内ユーザー様からのご要望を元に実現されました。このように開発元では、ユーザー様からのフィードバックを積極的に取り入れております。製品の機能改善・機能追加についてのフィードバックを、弊社までお気軽にご連絡ください。