Ranorex 初心者にチェックしてほしいポイント5選

今回は、Ranorexをはじめて使う、あるいはまだ操作に慣れていないという方に向け、Ranorex を使う際につまづきがちなポイントとその対応方法をご紹介します。

テクマトリックスでは、Ranorexの評価を始める・新しくRanorexユーザーになった方に向けた無償のハンズオンセミナーを定期的に開催しております。このセミナーでは、半日程度でRanorexの基本的な使い方を学習することができます。Ranorexを全く触ったことがないという方は、まずはハンズオンセミナーの受講をご検討ください。

1. 使用するバージョン

Ranorexは、定期的に新バージョンをリリースしています。リリースごとに、様々なバグフィックスおよび機能追加がおこなわれておりますので、最新版をご利用いただくことをおすすめしています。現在の国内版の最新は、Ranorex 10.7.2 となります。他のバージョンを使用している場合、最新版の利用をご検討ください。

2. レコーディングを始める前に

画面の拡大率(DPI)の設定

Ranorex を使用するマシンでは、画面の拡大率(DPI)を100%のみをサポートしています。150%などで設定されている場合、Ranorex Studio の画面が見切れてしまったり、レコーディングの際にオブジェクトを認識する赤枠がずれるといった現象が発生することがありますので、100%に設定してください。
拡大率の設定は、Windowsスタートメニューから、[設定] – [システム] – [ディスプレイ]を開いた以下画面で変更できます。

関係ないアプリケーションを終了する

Ranorex でレコーディングをおこなう際は、テストに必要ないアプリケーションは終了しておきましょう。テストシナリオと関係ない動作が記録されたり、マシン負荷が増大して動作が重くなることを避けるためです。

・Ranorex Recorderの Pause/Continueを活用する

Ranorexでレコーディングしている最中には、基本的にすべてのクリックやキーボード入力、スクロールなどの操作が記録されます。もしテストシナリオと関係ない操作がレコーディング中に発生した場合には、Ranorex Recorderの Pauseボタンをクリックすることで、レコーディングを一時停止することができます。また、Continueボタンをクリックすると、レコーディングを再開できます。

3. デスクトップアプリを自動化する場合

デスクトップアプリを自動化する際に、操作したいボタンなどのオブジェクトが取得できない、テスト実行が上手くいかないといった場合は以下の事項をお試しください。

管理者権限でRanorexとテスト対象アプリを起動する

テスト対象アプリによっては、通常の権限ではRanorexからの操作がおこなえない場合があります。この場合、Ranorex Studioおよびテスト対象アプリを、管理者権限で起動して改善するかご確認ください。Ranorex Studioは、起動時にアイコンを右クリック – [管理者として実行]で管理者権限で起動ができます。

テスト対象アプリに関しては、Ranorexのシナリオ内で起動している場合(StartAUTなど)、テスト対象アプリの実行ファイルに管理者権限を付与してください。
テスト対象アプリを右クリック – [プロパティ] – [互換性]タブ – [すべてのユーザーの設定を変更]で、[管理者としてこのプログラムを実行する]にチェックを入れることで、常時ファイルを管理者権限で起動する形になります。

GDI/GDI+キャプチャを設定する

レコーディングやRanorex Spyで、デスクトップアプリのオブジェクトが取得できない場合の対応策として、GDI/GDI+キャプチャの設定が有効な場合がございます。設定方法は、以下ユーザーガイドをご参照ください。
ユーザーガイド:GDI/GDI+キャプチャ

4. Webアプリを自動化する場合

・アドオン(Ranorex Automation)の追加

RanorexでWebアプリケーションの自動化をする場合、ブラウザにアドオンが追加されている必要があります。通常はRanorex Studioをインストールした際に自動的にアドオンが各ブラウザに追加されますが、レコーディング時にオブジェクトが取得できない、あるいは取得されるRanoreXPathがDOM要素で構成されていないなどの場合は、アドオンが有効になっていない可能性がありますので、以下の手順でご確認ください。

  1. 使用するブラウザにて以下のURLにアクセスすると、拡張機能一覧が確認できます。Ranorex Automationが有効化されていることをご確認ください。
    ・Chrome の場合  : chrome://extensions/
    ・Microsoft Edge の場合  : edge://extensions/
    ・Firefox の場合  : about:addons
    追加されていない場合は、手順2からの内容にしたがって、 Ranorex Automationの追加を実施してください。
  2. ブラウザが起動している場合は、終了します。
  3. Ranorex Studioを起動し、 ヘッダーメニューの[ツール] – [インストルメントウィザード]をクリックします。
  4. [ブラウザのインストルメント]を選択し、[次へ]をクリックします。
  1. アドオンを追加したいブラウザのトグルボタンをONにして、[次へ]をクリックします。
    →Ranorex Automationの追加処理が行われます。
  1. ブラウザを再起動して、Ranorex Automationが追加されていることをご確認ください。


【注意事項】
・Chromeの場合、Ranorex Automationはオフラインでの追加がおこなえません。オフライン環境で利用される場合は、一時的にマシンをネットワークに接続の上、Ranorex Automationの追加を実施する必要がございます。
・Microsoft Edgeの場合、Ranorex v10.2はオフラインでRanorex Automationを追加することができます。Ranorex v10.2以外のバージョンを使用する場合は、Chromeの場合と同様ネットワークに一時的に接続し、追加する必要がございます。

・他のブラウザを終了しておく

レコーディング時、使用するブラウザ以外は終了しておくようにしてください。

5. モバイルアプリを自動化する場合

モバイルアプリの自動化は、デスクトップ/Webのテスト作成の手順と異なり、デバイス接続やアプリのインストルメントの手順が必要となります。詳しくは、以下ユーザーガイドおよびBlog記事をご参照ください。
ユーザーガイド:モバイルテスト
エラーが発生した場合の対応方法 -モバイル編-

まとめ

今回は、Ranorexでの自動化をはじめる際につまづきがちなポイントについて解説してきました。上記の内容で解決しない場合は、FAQ/チャットボットもぜひご活用ください。評価中または保守ご加入中のユーザーの方は、Ranorex テクニカルサポートにお問い合わせいただくことも可能です。お問い合わせ方法につきましては、担当営業またはお手元のユーザー登録カードをご参照ください。