メンテナンスモードで素早くデバッグする方法

本記事では、Ranorex で作成したテストのメンテナンスをサポートする機能をご紹介します。

今回ご紹介する「メンテナンスモード」では、テストの実行中にエラーが発生した場合、テストの終了を待たずに、その場でエラー箇所を修正し、修正した箇所からテストを再実行することができます。本機能を活用することで、エラーの調査や修正にかかるメンテナンスの時間を削減することができます。
※本機能は、Ranorex 8.0 で追加された機能です。

使用方法

1. ビルド>構成から、Debug が選択されていることを確認します。

2. テストスイート画面(.rxtst)を開き、「メンテナンスモード」を有効にし、テストを実行します。
※有効にすることで、メンテナンスモードを利用できるようになります。

3. テスト実行中にエラーが発生すると、テストが一時停止し、メンテナンスモードの編集ダイアログが表示されます。Validation でエラーが発生すると、ダイアログ上のドロップダウンメニューから、もともと設定していた期待値(1番目の選択肢)と、テスト実行時の実際の値(2番目の選択肢)が表示されます。

実際の値(2番目の選択肢)を選び、「適用してリトライ」をクリックすると、Validate アクションで使用する期待値が「実際の値」に変更され、テストを続行します。

4. メンテナンスモードでイベントが発生した場合は、レポートにアイコンが表示されます。

5. 緑色のチェックマークが付いたレポートにマウスオーバーすると、「Apply new value」が表示されます。「Apply new value」を選択すると、メンテナンスモードで編集した内容をテストシナリオに反映させることができます。
※変数の値や、データソースのデータには「Apply new value」を利用することができません。変数やデータソースのメンテナンスは手動で行う必要があります。

・修正されたテストシナリオ

メンテナンスモードの種類

メンテナンスモードで表示されるダイアログには、以下の3種類があります。


Element not found:

このダイアログは、対象のオブジェクトが見つからない場合に表示されます。ダイアログ上から、対象のオブジェクトで使用している RanoreXPath が正しいかどうかの確認、および編集がおこなえます。

編集してリトライ:Ranorex Spy が起動し、RanoreXPath を編集することができます。編集したパスを使って、テストを再実行します。


Validation Failed:

このダイアログは、値のバリデーションに失敗した場合に表示されます。ダイアログ上から、正しい期待値に変更することで、バリデーションの編集がおこなえます。

適用してリトライ:ドロップダウンメニューから選択した値を期待値として使用して、テストを再実行します。

※イメージバリデーションは、メンテナンスモードでは解決できません。イメージバリデーションで失敗した場合、次の汎用ダイアログが表示されます。


汎用ダイアログ:

このダイアログは、メンテナンスモードでは解決できないエラーが発生した場合に表示されます。

Spy を開く:影響するオブジェクトの RanoreXPath を Ranorex Spy で確認することができます。

まとめ

本記事では、Ranorex で作成したテストのメンテナンスをサポートする「メンテナンスモード」についてご紹介しました。テスト実行中に発生したエラー箇所の特定や、テストシナリオの修正を素早く実施したい場合は、本機能をご活用ください。メンテナンスモードについては、以下のユーザーガイドもご参照ください。

・ユーザーガイド:メンテナンスモード
https://www.ranorex.com/ja/help/latest/ranorex-studio-advanced/maintenance-mode/