クロスブラウザーテスト:ブラウザー固有のテスト自動化
Ranorex は、クロスブラウザーテストをサポートしているため、作成したテストシナリオを流用して、複数のブラウザーでテストすることが可能です。しかしながら、一部のテストシナリオはブラウザーごとにテストシナリオを作成する必要があります。
たとえば、メニューバーやポップアップなどのブラウザー固有の要素に対してテストする場合は、Ranorex が取得するオブジェクト情報 (RanoreXPath) がブラウザーごとに異なるため、同一のテストシナリオを使用できません。この場合、ブラウザーごとにテストシナリオを作成し、データソースのブラウザー名を条件に、実行するテストシナリオを分岐させる必要があります。
今回は、Ranorex の条件分岐を使用した、クロスブラウザーテストにおけるブラウザー固有のテスト自動化についてご紹介します。
クロスブラウザーテストにおけるブラウザー固有のテスト自動化
※具体的な設定方法は、リンク先のユーザーガイドをご参照ください。
ブラウザー名の変数化とデータソースの関連付け
1. データソースには、下図の様に、1行目に変数と関連付けるカラム名、2行目以降にテスト対象のブラウザー名を複数用意します。
※使用できるデータソースは、csv/excel/データベースです。
2. 「Open Browser」アクションで指定されているブラウザー名を変数化します。ここでは、データソースのカラム名と合わせて変数名を「BrowserName」にします。
ユーザーガイド:変数の定義(アクション変数の定義参照)
3. テストスイート画面にて、データソースをプロジェクトに読み込みます。
ユーザーガイド:データソースの管理と割り当て (データソースの管理参照)
4. 「Open Browser」アクションを含むレコーディングモジュールの親テストケースを右クリックし、「データソース…」を選択します。
5. 手順3でプロジェクトに読み込んだデータソースを割り当てます。
ユーザーガイド:データソースの管理と割り当て (データソースの割り当て参照)
6. 手順2で作成した変数をデータソースのカラム名に関連付けます。
ユーザーガイド:データバインディング
ブラウザー固有の要素のテストシナリオをブラウザーごとに用意
1. ブラウザー固有の要素に対するテストは、ブラウザーごとにレコーディングモジュールを用意して作成します。
ユーザーガイド:レコーディングモジュールの管理 (新しいレコーディングモジュールの追加参照)
2. テストスイート画面にて、スマートフォルダーをブラウザーごとに用意し、手順1で作成したレコーディングモジュールを該当のスマートフォルダーに配置します。
※条件分岐の設定は、テストケース/スマートフォルダー単位のため、今回はスマートフォルダーを使用します。
ユーザーガイド:テストスイートの構造
データソースのブラウザー名を条件にスマートフォルダーを分岐
1. 1つ目のスマートフォルダー(IE) を右クリックし、「条件分岐」を選択します。
2. 下図のように、条件分岐のルールを設定します。
※下図は、データソースの値が「IE」の場合に、このスマートフォルダーが実行される設定です。
ユーザーガイド:条件分岐とルール
3. 2つ目以降のスマートフォルダーにも、同様に、条件分岐のルールを設定します。
テスト実行
テストを実行するとデータソースのブラウザー名を条件に、それぞれのスマートフォルダーが実行され、以下のようなレポート結果になります。
まとめ
クロスブラウザーテストにおいて、ブラウザー固有の要素に対する操作が発生する場合は、Ranorex の条件分岐を使用することで対応いただけます。また、ブラウザーごとに異なる操作を想定している場合などにも、今回紹介した条件分岐を使用することで対応できます。