Ranorex 基本機能 #3 同時実行によりテスト消化を加速する

前回、前々回に引き続き、Ranorexの機能紹介を行っていきたいと思います。今回のテーマは、”テストを同時実行する方法”について取り上げていきます。

皆様、テストを実行する際に“実行したいテストの数が多く、テストを消化するのに多くの時間がかかってしまう”という悩みはありませんか。そんなときにRanorexのリモートテスト機能を使えば、複数のマシンを使って異なるテストを同時に実行することができるため、テストの消化を加速することができます。そこで、今回はリモートテスト機能についてご紹介します。

リモートテストにより、複数のマシンで同時に次々とテストを実行する

Ranorexには、Ranorex Remoteという機能があります。こちらの機能を使うことで、複数のマシンで同時にテストを実行することができます。

リモートテストを行う際には、テスト実行用の物理/仮想マシンを用意し、対象のマシンにRanorex Agentをセットアップします。Ranorex Agentとは、テストの実行のみを行うスタンドアロンツールです。また、Ranorex Agentは複数のマシンにインストールすることができるため、複数のマシンでテストを実行することができます。

具体的な利用方法として、ホストマシンと実行用のマシンを用意し、ホストマシンにはRanorex Studio、実行用マシンにはRanorex Agentをそれぞれインストールします。そして、ホストマシンのRanorex Studioから直接、Ranorex Agentにテストを配布し、リモートテストを実行します。これにより、複数の実行用マシンにRanorex Agentをインストールすることで、複数のエージェントを使い、同時にテストを実行することができます。ただし、テストの同時実行には、対応する数だけRuntimeライセンスが必要です。

Ranorex Remote機能により、テスト実行中にホストマシンでは手元の作業が継続でき、かつ、リモートテストが完了次第ホストマシンのRanorex Studioでレポートを確認することができます。

なお、Ranorex Remoteの詳細についてはこちらの記事をご確認ください。 」

リモートテストによるライセンス形態

ライセンスには大きく分けてPremiumライセンスとRuntimeライセンスの二種類があります。Premiumはテストの作成と実行を、Runtimeはテストの実行のみを行うライセンスです。それぞれ運用例を交えながら、ライセンスについてご説明します。


Premiumライセンス

Premiumライセンスには以下2種類のライセンスがあります。

①ノードロック
ノードロックライセンスは、マシン固定のライセンスです。そのため、Ranorexをインストールしたマシンでのみ、テストの作成・実行が行えます。
このライセンスは、テストの作成者が固定である場合に向いています。ノードロックライセンスをご購入いただくことで、テストの作成者は制約なく、自由にRanorexを使用することができます。
※ノードロックライセンスは、仮想環境では利用いただけませんので、フローティングライセンスをご使用ください。

②フローティング
フローティングライセンスは、サーバー上にライセンスマネージャーをインストールいただき、Ranorexを使用するたびにサーバーへライセンスをとりにいく形式となります。そのため、同一のネットワーク内であれば、だれでもRanorexをインストールし使用できます。
よって、複数の人がテストの作成、実行を行えるため、Ranorexを使用したい人が複数人いる場合に向いています。ただし、複数の人が同時にRanorexを使用できる数はライセンス数に基づきます。

たとえば、下図のようにフローティングライセンスを2つ保有しているとします。すると、同時にアクセスできるのは、2台のマシンとなります。よって、2つのライセンスが占有されている際に他のマシンでRanorexを使おうとしても、ライセンスに空きがないため使用することができません。

Runtimeライセンス

Runtimeライセンスは、テストの実行のみを行うライセンスです。よって、Premiumライセンスとは異なり、テストの作成はできません。なお、Runtimeライセンスはフローティングライセンスのみとなります。

運用例として、Premiumライセンスを使ってテストを作成し、Runtimeライセンスを使い複数のマシンでテストを実行します。テスト作成用のライセンスと実行用のライセンスを分けることで、”テスト実行中はテストを作成できない”などの制約もなくなり、効率的にテストを作成し、実行することができます。なお、今回紹介したRanorex Agentによるリモートテストの実行は、Runtimeライセンスが必要となります。

今回ご紹介した、Ranorexのリモートテストを活用することで複数のマシンでテストを同時に実行できるため、テスト消化は加速され、テストの実行を効率化することができます。
ぜひお試しください。