Ranorex の優れた UI 認識機能とサポートを高く評価。ユーザーフレンドリーなツールのメリットを最大限に活用
医療分野における世界的なパイオニアであるシーメンスヘルスケア社のX 線CT 装置部門は、コーディング ガイドラインをはじめ、さまざまなテスト オートメーション戦略に沿った構築を行っています。ユーザーインターフェイスのテスト自動化ツールRanorex も、その一環として、機能テストの自動化に活用されており、CT 市場における主力製品が医療専門家のニーズを満たしていることを確認するのに役立っています。同社は、Ranorex を使用することで、テスト ケースを効率的に作成し、テストの工数を40%以上も節約することに成功しました。
シーメンス ヘルスケア社は、コンピューター断層撮影などの画像診断テクノロジーのリーダー企業であり、世界最大のヘルスケア テクノロジー サプライヤーの1 つです。シーメンス社は、数十年にわたって、画期的なCT 製品とサービスを市場に送り出してきました。同社はイノベーションのリーダーとして知られており、より良い臨床成績を達成するため、また、放射線被曝と造影剤の投与を最小限にして患者の健康状態に貢献するために改革を続けています。同社の目標は、生活の質を改善することです。世界の人口が増大し、高齢化も進むなか、高齢になっても健康的で質の高い生活を維持しようと努力する人々はますます増えています。シーメンス ヘルスケア社は、業界のリーダーとして、より質の高いヘルスケアを実現する医療テクノロジーを提供しています。
課題
シーメンス ヘルスケア社X 線 CT 装置部門は、2000 年から自動テスト フレームワークを使用しており、テスト オートメーションに関して豊富な経験を持っています。同部門が新しいデスクトップ テスト オートメーション ツールの導入を検討することにした最大の理由は、将来のテストオートメーション プロジェクトに備えて実行時間を削減する必要があったためです。同部門の使用するUI テクノロジーがWPF に変更されたことも、もう1 つの理由として挙げられます。そのほかに、新しく導入するツールには、強力なオブジェクト認識能力が期待されました。
新しいツールに投資するにあたって評価の基準となったのは、操作方法を習得するのは容易か、テスト オートメーション機能は強力か、保守作業を軽減できるか、複数のテクノロジーをサポートしているか、定期的なアップデートによって使いやすさの改善や新規拡張が行われているかといった点でした。
同部門は、最初に4 つのツールを候補として選定し、最終的にRanorex ともう1 つのツールで同じテスト ケースを実装することで評価を行うことにしました。このテストでは、実装、パフォーマンス、変更への適応性(保守の容易さ)、堅牢性、実行速度に重点が置かれました。加えて、同部門の長期的なテスト オートメーション戦略をふまえて、使いやすさ、オープンなテスト オートメーション API、テクノロジーのサポート状況、Microsoft Team Foundation Server 環境との統合機能も評価の対象となりました。
ソリューション
X 線CT 装置部門は、同社のニーズに最も適合するツールとして Ranorex を選択しました。現在、Ranorex はさまざまなシーメンス ヘルスケア社のプロジェクトで全世界的に使用されています。同部門が Ranorex を知ったきっかけは、Ranorex が米国ATI(Automated Testing Institute)のベスト オートメーション ツール賞を受賞したことでした。これが、最初に同部門の関心を引き付けました。また、価格モデルが適正だったことも重要な決定要因でした。
同部門は、Ranorex のサポートと協力体制は素晴らしかったと評価しています。シーメンス ヘルスケア社とRanorex は共同でテスト設計とアーキテクチャに応じたソリューションを開発し、レビュー ワークショップを開催しました。テスト オートメーション ツールの使用をすばやく開始できるようサポートするのは、Ranorex にとっては当然のことでした。信頼性と柔軟性が高いコントロール処理機能に加えて、Ranorex のスケーラビリティ、Microsoft Visual Studio との統合機能、および RanoreXPath が、シーメンス ヘルスケア社X 線 CT 装置テスト チームにとって非常に魅力的な要素でした。
Ranorex のメリット
シーメンス ヘルスケア社X 線 CT 装置部門は、実際のCT スキャナーおよびシミュレーターを使ってテストを実行します。一連のテストを実行すると、合計テスト時間は数週間にもなるため、テスト時間が10% 削減されただけでも、CT スキャナーをテスト ラボで利用できる時間が増えることになります。
Ranorex は最新のモジュール化アプローチに対応しているため、テスト オートメーションをステップに分割して処理することができ、柔軟性の高いRanorex コード モジュールの作成が行えるほか、グローバルなテスト チーム間でのコード モジュールの共有も可能にします。たとえば、フォルヒハイム(ドイツ)にいるテスト チームは、上海(中国)のチームのサポートを受けています。他の部署のワークフローを含むさまざまなワークフローで使用されるライブラリから、多数のモジュールとテスト オートメーション ステップが作成されました。
テスト オートメーション フレームワークを構築するうえで最も複雑な作業は、ルールとフレームワーク条件の設定、およびテスト管理システムへのカスタム コントロールおよびインターフェイスの実装です。Ranorex の成果物(テスト ケース、テスト結果)は .xml ファイルとして格納すると、ワークフローを簡略化できます。テスト アーキテクトによって定義されたテスト ケース作成ガイドラインに基づいて、テスト ソリューションの構築と作成が行われます。
Ranorex を使用して成果を上げたというテストチームの実績をもとに、プロジェクト担当者たちはRanorex を推奨しました。こうして、「テストに使用する高価な装置の台数を抑制するために、既存のCT 装置を使って多数のテストを迅速に実行する」という、成功に必須の条件が整いました。個別のテストについて、テスト チームは実行時間を40%以上節約できたと報告しています。これは、一部はテスト設計の改善、一部は Ranorex によって可能になった実行時間の短縮により達成されたものです。
「全体として、プロジェクトのテスト実行時間は大幅に短縮されました。新しいテスト ケース設計、使いやすさ、ソフトウェアの機能、標準プログラミング言語としてC# を使用できることがあいまって、それまで使用していたソフトウェアと比べて、新しいテスト ケースをより効率的に実装できました。これまでのところ、Ranorex の堅牢なテストは、以前に使用していたテスト オートメーション ツールに比べ、テストの実行時間を40% も削減することに成功したのです。」
シーメンス ヘルスケア社X 線CT 装置部門テスト ソフトウェア開発リーダー
大規模なテスト オートメーション プロジェクトを運用する企業に対してシーメンス ヘルスケア社が推奨する4 箇条
- 十分な時間をかけてテスト オートメーション戦略の実施環境が整っていることを確認する。
- フレームワークのルールを設定し、テスト ケース設計のガイドラインを定義する。その結果、テスト開発者や、その他のテスト オートメーションに習熟していないメンバーも容易にテスト構造を理解できる。
- テスト コードの見直しを通じて、テスト開発時の品質に重点を置く。
- 対象システムでテストを実行してから、ソフトウェアの新しいバージョンをリリースする。
作成日:2015 年12 月15 日